B―1グランプリ 八戸せんべい汁がV!7度目の正直ついに
2012年10月22日(月)
北九州市で20日から開かれていたご当地グルメの祭典第7回「B―1グランプリ」は21日閉幕し、青森県八戸市の「八戸せんべい汁研究所」がゴールドグランプリを受賞した。八戸市は2006年の第1回開催地で、研究所事務局長の木村聡さん(48)はB―1の生みの親。毎大会4位以上を確保してきた末のゴールドグランプリに、木村さんは涙を浮かべて喜んだ。
「ついに金賞が来た。小さなイベントだったB―1がこんなに大きくなった。町おこしは終わりがなく、これがゴールではない」。閉会式で木村さんは力強く話した。「誰にも負けないように頑張ってきたおもてなしが結果につながった」。“7度目の正直”に、研究所のメンバーと喜びを分かち合った。
木村さんは「全国の地方都市を元気にしたい」という思いから、03年に八戸せんべい汁研究所を設立し、B―1を企画。全国の町おこし団体に手紙で参加を呼び掛けた。当初は返事がなかったが、繰り返しの呼び掛けに北九州市の「小倉焼うどん研究所」などが応じ、10団体の参加で第1回大会の開催にこぎつけた。
「八戸せんべい汁」は肉や魚などでだしを取った汁に、南部せんべいを割って入れ、煮込んだ郷土料理。大会会場では、調理用の巨大な鍋にせんべいを割って入れる体験イベントを行うなど、来場者へのアピールに工夫を凝らした。来場者がおいしいと思う料理に割り箸で投票。その総重量で順位を決定する。
第1回から4位→2位→2位→2位→3位→3位ときて、ようやくたどり着いた頂点。閉会式後、木村さんは「東北に来たら八戸に寄ってもらえるよう、あしたからまた新しい町おこしをしたい」と目を潤ませた。
4位には、同じ東北で「なみえ焼そば」を提供した福島県浪江町の「浪江焼麺太国」が2年連続でランクイン。浪江町は東京電力福島第1原発事故の影響で、メンバーも町外への避難を続けており、前回と同様、会場は浪江コールに包まれた。
今大会には63団体が参加し、期間中に過去最多となる約61万人(主催者発表)が訪れた。第8回は来年秋に、愛知県豊川市で開かれる。